簡単金継ぎ!漆を使わない金継ぎセットの使い方と体験レポ

お手入れ

ちょっとだけ欠けたり、パリーンと割れちゃった、お気に入りの器。
ショック・・・・悲しすぎて泣きたくなります。
そんなときにおすすめしたいのが、大切な器を自分で簡単に修復できる「簡易金継ぎ」です。

金継ぎ」と聞くと、手間もお金もかかりそうなイメージがあるかもしれません。
プロに頼むのはちょっとハードルが高いし、自分でやるのは難しそう・・・
金継ぎとは、欠けたり割れたりした器を漆で接着し、その継ぎ目に金や銀の粉を装飾として施す、日本の伝統的な修復技法です。
漆は乾くまでに時間がかかるし、肌が弱いと刺激になることもあって、初心者にはちょっと手を出しにくいんですよね。

実際、お店で器を取り扱っていることもあり、「割れてしまった器、どうしていますか?」とお客様に聞かれることがよくあります。
本格的じゃなくても、簡単に直してまた使えるようになるなら嬉しいですよね。
そんな気持ちから、私は初心者でも安心して使える簡易金継ぎをおすすめしています。

私が金継ぎセットを購入したのは今から約4年前。
それ以来、何枚もの器を直して、また使い続けています。
本格的な金継ぎと違うのは、漆を使わず合成樹脂や接着剤を使うところ
なので扱いやすく、乾燥時間も早いのが特徴です。合成樹脂は食品衛生法に適したものが使われています。

まずは金継ぎセット(スターターキット)の中身を紹介

https://kintsugi-lounge.shop/

私が使っているのは、金継ぎラウンジさんのスターターセット
説明書、面相筆、絵皿、耐水性紙やすり# 400、エポキシ接着剤、エポキシパテ、金粉(真鍮粉)、テレピン油、合成樹脂、がポーチにセットされています。
自分で用意するものは、直したい器、ビニール手袋、カッター、ウエットティッシュ、マスキングテープ、綿棒です。(金継ぎラウンジさんのキットにはスタンダードキットもあり、自分で用意するものもセットに含まれています。


簡単金継ぎ、やってみよう!

まずは欠けたり割れたりした器を用意します。

1.つなげる 接着したりパテで埋めたりします。

割れてしまって破片があるものは接着剤でもとの形にくっつけていきます。
エポキシ接着剤2液をムラのないように混ぜて、へらや爪楊枝で割れた側面に塗っていきます。
5分ほどで接着剤が固まってくるので焦るのですが、この時手に接着剤がつかないように注意します。手についてしまうと、作業している間に器のいろんな場所に接着剤がついてしまって残念なことになります。
接着剤が塗れたらズレないように接合してマスキングテープで仮止めします。

欠けてしまっている器はパテで埋めていきます。
パテを垂直に輪切りにします。大きさの目安は欠けたところと同量です。2層の色が完全に混ざりあうように練ってから、欠けた部分に埋めていきます。この時欠けの部分よりパテが少し盛り上がっていても大丈夫です。パテは5~10分で固まります。

まっすぐ垂直にスライス。使う分だけすこしずつ切りましょう!
すぐに固まってくるので手早く作業
ぼこぼこしていても、カッターやサンドペーパーでなおせます

2.みがく 形を整えます。

接着剤やパテが乾いたら、形を整えます。
はみ出した接着剤やパテはカッターで削りとります。サンドペーパーをカットして水につけながら気になる場所を研いで形を整えます。サンドペーパーは器に当たるとキズがつくので場所を確認しながら丁寧に作業してください。

3.ぬる あともう少しで完成!楽しい作業です。

私が金継ぎで1番好きな作業です。
小皿に真鍮粉ととテレピン油をほんの少し入れて混ぜます。そこに合成樹脂を混ぜ合わせます。
小さな筆で「割れ」や「欠け」の部分に塗っていきます。金色の線をゆっくりと書いていけば大丈夫。塗る面積が広い部分は少しぽってり盛り上がる感じで塗るのが私は好きです。
修正したいときは、綿棒にテレピン油を染み込ませて拭いたら取れます。
(銀色に仕上げたいときはアルミ粉を使います。)

合成樹脂×2、テレピン油×2で980円(送料無料)でした。
小さなスポイトもセットに入っています。

今回、合成樹脂が瓶の中で固まっていたので(4分の1ほど残っていた)新しい合成樹脂とテレピン油を購入しました。
足りない材料を買い足せるのでずっと使っていけますね。さすがに4年前に購入したのでパテも前回使った時より硬めになっていました。次回はパテも購入しなおしたほうが良いかも…

ゆっくりと筆は寝かせたほうが上手に描けるみたい。
裏面もしっかりと。パテで埋めた部分は塗りつぶす感じで。

色を塗ったら24時間ほど乾かします。乾くまで少し時間がかかるので、塗ったところを触らないように注意しましょう。

金継ぎ食器、たくさん使っています!

我が家の金継ぎ食器を紹介します。
離乳食をあげるのにどう?と、出産祝いに友達からもらった蕎麦猪口。
せっせと離乳食を作っていたころの思い出の器なので、ずっと持っておきたいなと思いました。金継ぎをするきっかけとなった器です。

初めての簡単金継ぎ作品。
一人暮らしの時から使っているどんぶり。こちらも思い出もあるのでずっと使いたい。

洗っている時に落としてパリーンと割れちゃったパラティッシ。接着剤でくっつけるときにズレてしまいましたが、色を塗るとズレもそれほど気にならなくなりました笑

欠けたところにパテを埋めて、ぽってりと色を塗りました。白いシンプルなプレートにアクセントがついて可愛いと思います。(自画自賛)

完成品を使用するときの注意点

金継ぎ後は、電子レンジ、食洗機、オーブン、直火での使用ができなくなります。洗う時は柔らかいスポンジで。
4年前に金継ぎしたものは金色の部分の色が少し薄くなったような気がしています。
日頃よく使っているので、剥げてきてしまうのかも。食品衛生法に通っているものを使用しているそうなので、私はあまり気にしていません。
気になる方は自然素材を使う本格的な金継ぎに挑戦してみてくださいね。

お気に入りの器、長く大事に使いたい!
簡単金継ぎ、器用じゃなくても楽しくできちゃいます。


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